魚の血抜きを行う最大の理由
海や川でせっかく釣り上げた新鮮な魚を、自宅まで持ち帰り美味しく食べるためには、釣り場で適切な処理を施すことが重要になります。
その中でも特に欠かすことができない工程が、魚の血抜きと呼ばれる作業です。
魚の体内には多くの血液が流れていますが、この血液が魚の身に残ったまま死後硬直を迎えてしまうと、生臭さの原因となります。
血液は、魚の体の中で最も早く腐敗が進行する部分であり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまうため、鮮度を著しく低下させる要因になります。
また、血が身に回ってしまうと、見た目にも赤黒いシミのようなものが残ってしまい、お刺身など生で食べる際の美しさを損なわれるデメリットも。
適切な血抜きを行うことで、これらの問題を未然に防ぎ、魚が本来持っている旨味や歯ごたえを最大限に引き出すことができるのです。
釣ったばかりの魚はストレスを感じており、そのまま放置すると身が急速に劣化しますが、血抜きを行って絶命させることで身の透明感と弾力を保ち、数日寝かせても美味しく食べられるようになります。
初心者でもできる簡単な血抜きの方法
初心者であってもいくつかのポイントを押さえれば、十分に実践できます。
最もポピュラーで確実な方法は、エラを切って血を出させるやり方です。
魚が釣れたら、なるべく元気なうちにナイフや専用のハサミを使って、エラの膜の部分に切れ込みを入れましょう。
魚の心臓はエラのすぐ近くにあるため、ここを切ることで心臓のポンプ機能を活かしたまま、全身の血を効率よく外に押し出せます。
エラを切ったら、すぐに海水を張ったバケツの中に魚を頭から入れてください。
水中で魚がバタバタと暴れることで血が水中に溶け出し、よりきれいに血が抜けていきます。
数分ほど経過してバケツの水が赤く染まり、エラから血が出なくなったら血抜きは完了です。
この作業を行う際には、魚が暴れて鋭いヒレやトゲで怪我をしないように、フィッシュグリップやタオルでしっかりと魚を固定することが大切です。
また、大型の魚を釣った場合は、エラだけでなく尻尾の付け根の骨にも切れ込みを入れると、さらに血抜けが良くなります。
特別な道具がなくても、ナイフ一本とバケツがあれば誰でも簡単にできるので、釣った魚を美味しく食べるためにぜひ挑戦してみてください。
血抜きをした後の適切な保存方法
魚の血抜きが無事に終わっても、安心してはいけません。
その後の持ち帰り方や保存方法が適切でなければ、せっかくの血抜きの効果も半減してしまいます。
血抜きが完了した魚は、真水ではなく必ず海水で綺麗に洗い流し、表面のぬめりや血合いをしっかりと落としてください。
その後は、氷がたっぷり入ったクーラーボックスに入れて保管します。
このとき、魚が直接氷や水に触れないようにすることが、鮮度を保つための大きなポイントです。
魚が真水に触れると浸透圧の関係で水っぽくなってしまい、氷に直接触れるとそこだけ凍ってしまい、氷焼けと呼ばれる状態になって身が劣化してしまいます。
これを防ぐためには、魚をビニール袋に入れたり、新聞紙で包んだりしてからクーラーボックスに収納するのがおすすめです。
クーラーボックスの中は冷気が下に向かって流れるため、氷を一番上に配置し、その下に魚を置くとボックス全体が効率よく冷やされます。
自宅に持ち帰った後も、すぐに内臓やウロコを取り除き、キッチンペーパーでお腹の中の水分をしっかりと拭き取ることで、さらに鮮度を長く保つことができますよ。
釣り場での血抜きと丁寧な持ち帰り方をセットで行うことで、自分で釣った魚が極上の味わいに変わる感動をぜひ味わってみてください。